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最終更新: 2022/06/10

学力と成績

No. 7 :
夏期講習が近づくと入塾に関する問い合わせが増え、電話口で「中学3年の子供がいます。夏期講習から入塾して成績は伸びますか?」といった質問を受けることがあります。

「伸びますよ」と言いたいところですが、その生徒の情報を全く知らない状態で、安易に「伸びますよ」と言えないため毎回悩みます。中3の受験生にとって「成績を伸ばす」とは、校内や学区における順位を上げるということであり、相対的なものだからです。

部活動の夏の大会が終わると、皆が頑張りだします。そうすると皆の「学力」が上がっていきます。「学力」は必ず付くのです。計算が苦手な生徒でも、指導すればたいてい出来るようになりますし、英語の文法や社会・理科の基礎問題もそうです。

でも、「成績」は相対的なものです。他の人よりできるようにならなければ上がらないのです(順位や偏差値)。また、テストを作成する側からすれば、平均点は一定に保ちたいので、夏以降は問題のレベルを上げていかざるを得ません。そのため、基礎問題だけ解けるようになっても、「成績を伸ばす」ことに必ずしもならないのです。ここが、「頑張っているのに成績があがらない」という悩みになっていくのです。

中3で夏期講習から入塾して、「成績が伸びる」生徒には条件があると思います。やる気があって頑張ることは当然ですが、まず、国語力が一定以上の水準にあることが最も重要と思います。高校入試の問題は文章量が多く、速く正確に問題を読み取る必要があります。このことは5科目すべてに言え、文章を読むのが苦手な場合は圧倒的に不利になります。読解力は短期間で付きません。極端に言えば、幼児期からの積み重ねなのです。結局、冒頭の質問に対し、私は、定期テストの成績、特に国語の点数をベースに、数学・理科、社会・英語の得意・不得意(主観的なもの)を聞き、さらに体験授業の実感を通じて、「成績が伸びる」かどうかを判断することになります。

最後に、たとえ今、国語が苦手でも、練習によって必ず克服できるので、絶対にあきらめないでください。毎日、新聞のコラムを読むなど、時間がかかっても継続することで、必ず国語力は付きます。いままでやってこなかっただけなのです。国語力は将来仕事をする際にも必要です。また、文章を読むのが好きになれば、知識も増え、いろいろなことに興味を持てると思います。国語が苦手という生徒は、問題練習を継続すると同時に、普段の生活でも文章を読むことを好きになる工夫をするとよいと思います。

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